夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦 著

 今日明日中にあと一冊は消化したいところ。積ん読本まだまだ沢山……。

 勧められて久々のライトノベル。ウン読み易い。やっぱりライトノベルはのっけから引き付けてきますねー。
 うーん。うん。

 ……ごめんなさい。やはり筆者にとって、ライトノベルと小説の違いは解りません。どうも区別して書くのはしっくり来ないですね。無理せず小説として紹介いたしましょう。
 さておき。

 物語は四章から成ります。それぞれこんな話。

  • 黒髪の乙女が酒を求めて京都の町? を彷徨いました
  • 黒髪の乙女が古本市にて幼少の頃に親しんだ絵本を探しました
  • 黒髪の乙女が学園祭にてゲリラ演劇の主役を張りました
  • 黒髪の乙女は風邪を引きません

これで伝わったら凄いな(汗

 第一印象は、幻想小説かしらん。あまり幻想小説と呼ばれるものを読んだ事が無いのでハッキリ申せませんが「銀河鉄道の夜」チックに感じました。中々素敵な幻想世界が展開されて面白い雰囲気です。
 登場人物のノリも随分軽くてぼけぼけしていて、実に愛くるしい。キャラクタを魅せる書き方に特化しています。情景描写は少なく、風景描写も最低限ですが、心理描写は豊富でした。
 当然と言えばそうですが、そうした書き方の方が話の展開もスムーズかつテンポ良いですね。個人的には風景描写の美麗さと要点の押さえ方にグッと来たので、情景描写の妙を読みたかったところですが……。

 話の構成も、冒険活劇みたいな面白味があります。基本は学生ロマンス? ですが、何だろう。ファンタジー。いや、基本も学生ロマンスなんだろうか……? うん、ファンタジー。

 後は月並かも知れませんが、最終章の終盤ですね。果たしてこれは全て夢なのか現なのか。全体の幻想的な雰囲気と相俟って、想像すると実に果敢無い物語になるのかも知れない。決してハッピー・エンドが妬ましいわけでは御座いません(笑

 少し気になったのが、黒髪の乙女の敬語が変。「おられますか?」とか。台詞なのでそれ程目くじら立てるものでもないのでしょう、けれど。

 あ、あと良い京都でした。

 そんな感じで。