わりと短めで読み易かった三作品、第二段はこちら。
こちらは夏目漱石先生の、恐らくは私小説。小さな話を幾つも集めたような形式になっており、各章毎に異なる話もあれば、二、三章で一つの話になっているものもあります。元は新聞掲載のものらしいです。
三十九章に小分けにされた随筆。一章目はこの随筆に対する弁解的な内容で始まります。
それから後は一章毎、あるいは二、三章毎でまとまったお話が続きます。
こちらは副題無しなので、掻い摘んだ内容で分類してみます。若干分け方が微妙かも知れません……。
- 家族のお話
- 飼い犬のお話
- 二代目の猫のお話
- 母の思い出
- 仕事のお話
- 雑誌社からの写真撮影のお話
- 講演会と謝礼のお話
- 講演会での聴講生の反応に対する考察
- 訪問者との対談
- 苦労をした女性との対談
- 原稿を持込した女性との対談
- 心が整理できない女性との対談
- 芸妓屋に奉公していた男との対談
- 昔の思い出
- 樺太へ行った友人O氏との思い出
- 昔実家に入られた泥棒のお話
- 東家の御作さんの思い出
- 旧宅の思い出
- 益さんの思い出
- 幼少期のお話
- 幼少期の友人喜いちゃんの思い出
- 幼少期の寄席の思い出
- 長兄と関係のあった芸妓のお話
- 事件
- 坂越の男のお話
- 大塚楠緒さんの思い出
- 芝居のお話から起きた喧嘩のお話
- 考察
- 身近な人の死に思う事
- 持病に対する考察
- 人付き合いに対する考察
そして最後の三十九章目は、(多分)執筆当日のお話で締め括られています。
全体を通して、先生の死生観が読み取れるような内容になっており、少々暗い内容が多いです。
修善寺の大患後の随筆という事もあり、それに対する描写は深く、けれどどこか達観した考察が含まれていて、どきりとさせられる内容も度々ありました。
そんな感じで。