もし読んでいなければ、是非読んで頂きたいと胸を張って推薦する一冊。強いて例えるなら、大人になって読み返す藤子・F・不二雄作品かしらん。そういえばF先生も、よくガリバー旅行記を漫画のねたに出していらっしゃいました。
物語は主人公レミュエル・ガリバーが、下記四つの世界を旅する構成となっています。
- 小人国(リリパット)
- 大人国(ブロブディンナグ)
- 飛島(ラピュタ)その他
- 馬の国(フウイヌム)
このうち、有名なのは小人国のくだりでしょう。あと名前だけならラピュタも相当有名ですね。バルス!
さて実際に読んだ事の無い方は、まずこの四つの世界を旅する話というものを想像してみて下さい。
自分以外の人間が皆中指くらいの大きさしか無く、何もかもが小さな世界で、果たしてどんな体験をするでしょう?
自分だけがまるで芥子粒のようにちっぽけで、見るもの全てが巨大な世界で、果たしてどんな体験をするでしょう?
飛島(ラピュタ)その他の物語は細々としてややこしいので取り敢えず置いておきましょう。
賢い馬達が野蛮な人間を飼い馴らす世界で、果たしてどんな体験をするでしょう?
想像しましたか?
では次にする事は、その想像を丸ごと部屋の壁にでも叩き付けましょう。
そんなお話です(笑
ただ難点もあります。文章構成自体が読み難く、通して読むと流れがぶつ切りで所々引っ掛かりを覚えます。説明的な部分も多く、明らかな無駄もあって軽妙さが少々足りません。何というか、わざとそうして児童書っぽく見せていると申しますか。
でも中身は本物です。実際読むと驚かされます。筆者にはどうしても、児童書の皮を被った大人向け風刺小説にしか見えません。こういうの大好きです。
そんな感じで。